2024年5月7日火曜日

ガザ・モノローグを読む 記録(2024.5.3)

 2024年5月3日、東京・代々木にあります国立オリンピック記念青少年総合センターにて、「ガザ・モノローグを読む」ワークショップが行われました。雲一つない快晴で、とても気持ちの良い日でした。

ガザ・モノローグは、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区に拠点を置く ASHTAR Theatre(アシュタール劇場)の企画で、2008年〜2009年のイスラエルによるガザの大規模侵攻を経験した子どもや若者33人が書いたモノローグ集です。2023年からは「ガザ・モノローグ2023」としてとしてテキストが順次公開されていています。
今回は、日本語に翻訳されている「ガザ・モノローグ2023」から、「ラマー」「ヒバ・ダーウードの証言」を読みました。


今回のワークショップは、読むことが主な活動ですが、参加者同士が初対面なので、自己紹介や身体を動かしたコミュニケーションゲームなどから始まりました。

少しお互いを知った後、「ガザ・モノローグを読みたいと思うのですが、パレスチナの状況というか歴史について少し知りたい人はいますか?」と進行のすずきこーたが聞くと、改めて確認しておきたいという人が数名いたので、簡単にパレスチナの歴史(主には第一次世界大戦のころから)を振り返りました。

パレスチナの状況を振り返った後、車座になり、段落ごとに「ガザ・モノローグ」を声に出して読みました。黙読するよりのと声に出すのでは、また違った印象があります。「テキストと自分自身に距離がある気がするので、もう少し近づくようなアクティビティに今日は挑戦しようと思います」という進行のすずきこーたの想いが伝えられました。

最初にやったのは、ペアになり、読んだテキストの中の短い会話の部分を取り出し、何度も何度も二人でくり返して言う、ということです。兵士を演じた人は「事務的な気持ちになる」、市民の人は「あきらめも感じられた」とおっしゃっていました。同じ言葉をくり返しているだけですが、「上手く読もう」というよりも、その言葉を発した人物の気持ちに近づいてくるような気がしました。

ここで少し身体を動かすために、小林一茶や正岡子規の俳句を身体で表現しました。これは、この後の活動の練習でもありました。
「ラマー」と「ヒバ・ダーウードの証言」の二つのグループ(5人ずつ)に分かれ、テキストの一部を読むだけではなく、身体でも表現しました。身体で表現すると、テキストのセリフのない登場人物の気持ちが理解できるような気がして、テキストを理解できるというか、テキストとの距離が近づいたような気がします。

最後の感想では

・手を挙げるなどの不自然な姿勢でストップしていると、差し迫った状況が伝わってきた。

・緊迫感とその状況の無機質感が伝わってくる。

・複数でやってみて、その場にいた人々の連携して事にあたる様子、互いが互いを助ける情景、その場にいた一人ひとりに物語があることが伝わってきた。

・テキストと自分の距離をどう埋めるのか、想像することで補う。

終わった後に寄付を募り、参加費の一部と一緒にヨルダン川西岸地区で実施している子どもたちの心理社会ケア事業へ寄付いたしました。

簡単にではありますが、報告を終わります。
毎日世界の平和について考えることは難しいと思いますが、決して忘れるのではなく、思いを繋ぎながら、平和を考える活動をこれからも続けて行きたいです。

#ガザモノローグ  #gazamonologues

2024年3月28日木曜日

演教連 平和を考えるシリーズ「ガザ・モノローグを読む」

2024年5月3日(金)13時半〜16時半
国立オリンピック記念青少年総合センター 小練習室

(一社)日本演劇教育連盟は、「演劇と教育」を考え、研究し、実践する団体です。子どもたちの明るい未来のため、教育はかかせないものです。そして、教育現場における演劇活動は、表現する楽しさ、他者を思いやる心、達成感、自己肯定感を得るなど、生きていく上で大切な糧となる活動です。
同時に私たちは「平和」ということを抜きに、教育や演劇を考えることは出来ないと考えています。「演技がうまくなる」「コミュニケーション力を高める」といったことだけではなく、子どもたちが、人間が生きていく上で最も大切なことが、演劇と教育の中にはたくさん詰まっています。

演教連ではこれまでも「平和」に関わる講座の開講や、活動を行ってきましたが、今後は「平和を考えるシリーズ」として、もっと積極的に活動していこうと思います。


「戦争と平和」だけではなく、自然災害や貧困、ジェンダーの問題など、日本や世界で起きていることにもっと目を向けながら、演劇と教育について考えてきます。
今回は、 ASHTAR Theatre(アシュタール劇場)の企画である「ガザ・モノローグ」の日本語訳を、声に出して読む会を企画しました。
以下は「ガザ・モノローグ日本語訳」のHPからの引用です。

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ガザ・モノローグとは

“The Gaza Mono-Logues”(ガザ・モノローグ)は、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区に拠点を置く ASHTAR Theatre(アシュタール劇場)の企画です。2008年〜2009年のイスラエルによるガザの大規模侵攻を経験した子どもや若者33人が書いたモノローグ集は、世界30カ国以上で上演されました。2014年のガザ侵攻時にもモノローグは追加され、2023年10月以降は、「ガザ・モノローグ2023」として、アシュタール劇場のウェブサイトに新しいテキストが順次公開されています。

The Gaza Mono-Logues – ASHTAR Theatre
https://www.gazamonologues.com/



アシュタール劇場について 

1991年創立。フォーラム演劇や立法演劇など「被抑圧者の演劇」をパレスチナに導入し、コミュニティと密接に関わる社会的演劇活動を行う。パレスチナ初の演劇学校として若い世代の育成を行う他、ドラマを用いた子どもの心理社会ケア事業も行っている。
「ガザ・モノローグ2023」は、ガザ支部の俳優・演出家・トレーナーであるアリー・アブー・ヤースィーンが主に創作している。

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詳しくは、「ガザ・モノローグ日本語訳」をご覧下さい。

演教連では、下記のように「ガザ・モノローグを読む」を開催いたします。ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。

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ガザ・モノローグを読む

日時:2024年5月3日(金)13時半〜16時半
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター 小練習室
定員:15名
参加費:1,000円

※参加費は、会場費等経費を除いた一部をヨルダン川西岸地区で実施している子どもたちの心理社会ケア事業へ寄付いたします。

内容:ガザ・モノローグ日本語版を声に出して読み、少し身体も動かして、感じたことや、改めて大切にしたいことなどを話し合い、平和について考えようと思っています。

進行:すずきこーた
お申し込みフォームはこちら

主催:(一社)日本演劇教育連盟
協力:演劇デザインギルド




 #ガザモノローグ  #gazamonologues


2023年9月9日土曜日

はじめのいっぽ 10月

こんにちは、えんきょうれん(演教連)です!

記録的な猛暑だった今年の夏、久しぶりに対面での全劇研が行われました。関西・東京・岩国の3地域での開催も実現し、どの地域、どの講座も有意義なものになりました。そして全劇研に続けとばかりに、はじめのいっぽ、10月開催が決定しました!

今回は2つのワークショップです。どちらも経験不問です。

1つは「演劇(演劇教育)?! 全然分かりません…」という方のためのはじめのいっぽです!



「こどもたちと楽しい活動をしたいけれど、何からはじめて良いのか…」



と思ったことはありませんか?演劇的な活動には、いわゆる舞台の上の発表だけではなく、授業やお楽しみ会などでも活かせるものがたくさんあります!

東京都公立小学校特別支援級の教員でもある光延朋哉さん(ここ数年、全劇研の実行委員長も務め、今年度から演教連理事としても活躍しています)と、はじめのいっぽを多数しんこうしているすずきこーたさん(演教連認定ドラマ・ティーチャーです)を講師に迎えます。文字通りはじめのいっぽのワークショップを体験してみませんか?

もうひとつは「失敗してもいいから、自分でもワーク(ゲーム)を進行する機会が欲しい」という方のためのはじめのいっぽ、もういっぽという新企画です!


「演教連の講座に参加している時は楽しいけれど、実際に自分で進行(指導)するのは難しいなぁ」



と考えているような方にお勧めのワークショップです!

はじめのいっぽや養成セミナーは、講師が進める講座やワークショップに参加するという、どちらかといえば受動的なものですが、今回企画したはじめのいっぽ、もういっぽは、参加者同士がワークやゲームを進行して、他の参加者に参加してもらい、後に、良い点や改善点などを話し合うというワークショップです。

好評であれば今後も続けていきたいと思いますので、ぜひご参加下さい!

記 はじめのいっぽ10月

「はじめのいっぽ」
日時:2023年10月22日(日) 10時〜12時
講師:光延朋哉(東京都小学校特別支援学級教員)、すずきこーた(演劇デザインギルド)
参加費:演教連会員1,000円 / 一般1,500円

「はじめのいっぽ、もういっぽ」
日時:2023年10月22日(日) 13時〜16時
講師:すずきこーた(演劇デザインギルド)
参加費:演教連会員1,500円 / 一般2,000円

場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(小田急線参宮橋駅下車徒歩7分)

まるとくわりびき 連続で上記2講座に参加される場合、合計の参加費が、演教連会員2,000円、一般3,000円になります。

お申し込みは、こちらの申し込みフォームからお願いいたします。

 



2023年5月28日日曜日

はじめのいっぽ 5/28 記録

 2022年度は行っていないので、とても久しぶりの「はじめのいっぽ」でした。
また、会場である国立オリンピック記念青少年総合センター(オリセン)も、キッズフェスタというイベントを行っていて、子どもたちもたくさんおり、とても盛上っていました。

今回のはじめのいっぽは、演教連の講座やワークショップにはじめて参加する方も多く、文字通り「はじめのいっぽ」な感じでした。

最初に知り合うためのゲームをしたり、昔話の一場面を身体で表現したりしました。

泉から女神様が金の斧を渡すところ

竹に入っているかぐや姫

その後は、有名な俳句を身体で表現しました。

五月雨や 集めて早し 最上川


最後に、「はじめのいっぽ」も出来なかったということもありますが、コロナの時感じていたことを身体で表現し、その俳句を作ったりしました。

オリジナルの俳句の場面

ワークショップの後には、おしゃべりタイムを設け、講師のすずきこーたさんに、大切に思っていることなどを話して頂き、とても充実した時間になりました。

6月には、山口県の岩国で行います。東京でも、10月に行います(その前に、全劇研や養成セミナーなど講座も開かれます)。お時間のある方、ぜひ、お気軽にご参加下さい。

参加下さった皆様、ありがとうございました!

2023年5月20日土曜日

はじめのいっぽ in 岩国 2023年6月

 こんにちは、演教連です!

今年は全劇研が関西、東京、岩国と、3地域で行われることが決まりました!
各地域のチラシもでき上がっているので、そろそろお目にかかるかもしれません。

その、全劇研が行われる岩国で、初めてのはじめのいっぽ開催が決定しました!

はじめのいっぽでは、いわゆる演劇的なこともしますが、普段の教室などでも取り入れやすいゲームなどを数多くやります。そして、そのゲームの中に「あれ?気付かなかったけど、これって表現活動につながってるのかも…」というようなこともたくさんあります。

「ちょっと敷居が高い」「難しそう」「きっとすごい人ばかり集まってるんだ…」と考える方がいるかもしれませんが、まったくそんなことありません!

むしろ文字通りはじめてのかた、あまり経験のない方にこそ参加して欲しいワークショップです。もちろん経験豊富な方も大歓迎です。

演劇的なことは、舞台の上でセリフを言うだけではありません。みんなが集まって身体を動かす、声を出す、笑う、楽しむ…。そんなことも、実は演劇的な要素の大切は一つです。

お一人でも、お仲間と一緒でも大丈夫です。ぜひお気軽にご参加下さい。

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【はじめのいっぽ in 岩国】

日時:2023年6月3日(土) 10時〜15時
場所:岩国市玖珂小学校多目的ルーム
講師:すずきこーた(演劇デザインギルド、日本演劇教育連盟理事)
主催:(一社)日本演劇教育連盟
共催:向日葵の会

参加費:演教連会員1,500円 / 一般2,000円

お申し込みはこちらからお願いします。
お申し込みフォーム

皆様のご参加、お待ちしております!