2024年5月3日、東京・代々木にあります国立オリンピック記念青少年総合センターにて、「ガザ・モノローグを読む」ワークショップが行われました。雲一つない快晴で、とても気持ちの良い日でした。
ガザ・モノローグは、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区に拠点を置く ASHTAR Theatre(アシュタール劇場)の企画で、2008年〜2009年のイスラエルによるガザの大規模侵攻を経験した子どもや若者33人が書いたモノローグ集です。2023年からは「ガザ・モノローグ2023」としてとしてテキストが順次公開されていています。
今回は、日本語に翻訳されている「ガザ・モノローグ2023」から、「ラマー」「ヒバ・ダーウードの証言」を読みました。
今回のワークショップは、読むことが主な活動ですが、参加者同士が初対面なので、自己紹介や身体を動かしたコミュニケーションゲームなどから始まりました。
少しお互いを知った後、「ガザ・モノローグを読みたいと思うのですが、パレスチナの状況というか歴史について少し知りたい人はいますか?」と進行のすずきこーたが聞くと、改めて確認しておきたいという人が数名いたので、簡単にパレスチナの歴史(主には第一次世界大戦のころから)を振り返りました。
パレスチナの状況を振り返った後、車座になり、段落ごとに「ガザ・モノローグ」を声に出して読みました。黙読するよりのと声に出すのでは、また違った印象があります。「テキストと自分自身に距離がある気がするので、もう少し近づくようなアクティビティに今日は挑戦しようと思います」という進行のすずきこーたの想いが伝えられました。
最初にやったのは、ペアになり、読んだテキストの中の短い会話の部分を取り出し、何度も何度も二人でくり返して言う、ということです。兵士を演じた人は「事務的な気持ちになる」、市民の人は「あきらめも感じられた」とおっしゃっていました。同じ言葉をくり返しているだけですが、「上手く読もう」というよりも、その言葉を発した人物の気持ちに近づいてくるような気がしました。
ここで少し身体を動かすために、小林一茶や正岡子規の俳句を身体で表現しました。これは、この後の活動の練習でもありました。
「ラマー」と「ヒバ・ダーウードの証言」の二つのグループ(5人ずつ)に分かれ、テキストの一部を読むだけではなく、身体でも表現しました。身体で表現すると、テキストのセリフのない登場人物の気持ちが理解できるような気がして、テキストを理解できるというか、テキストとの距離が近づいたような気がします。
最後の感想では
・手を挙げるなどの不自然な姿勢でストップしていると、差し迫った状況が伝わってきた。
・緊迫感とその状況の無機質感が伝わってくる。
・複数でやってみて、その場にいた人々の連携して事にあたる様子、互いが互いを助ける情景、その場にいた一人ひとりに物語があることが伝わってきた。
・テキストと自分の距離をどう埋めるのか、想像することで補う。
終わった後に寄付を募り、参加費の一部と一緒にヨルダン川西岸地区で実施している子どもたちの心理社会ケア事業へ寄付いたしました。
簡単にではありますが、報告を終わります。
毎日世界の平和について考えることは難しいと思いますが、決して忘れるのではなく、思いを繋ぎながら、平和を考える活動をこれからも続けて行きたいです。
#ガザモノローグ #gazamonologues